2014年11月19日水曜日

Inspiration どう使う?

DACの飲み会なんかのときに「どう使ってます?」って複数の人に聞かれたので。
みんな困ってるんだろうなーということでちょっと書いてみる。

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Inspiration#ってルールがあるの、知ってる?

#直訳すると「霊感」「ひらめき」とかになるんだろうけど、ゲーム的に近いっぽい「直感」と表記する。

PHBの第4章:個性と背景に掲載されているルールで、3段落あわせて30行足らずの短いルールでしかないので、存在に気づいてないプレイヤーも少なくないようだ。
キャラクターシートにポツリと書かれた「inspiration」欄に不思議を覚えた人もいるだろう。俺とか

ざっとルールを説明すると、

・直感はプレイヤーがうまくPCの特徴trait、理想 ideal、絆 bond、欠点flawをロールプレイできたと感じたときにDMが与える。
・直感は複数ストックできない。
・攻撃ロール、セーヴ、能力値チェック時に直感を使用することで、判定に優位を得る。
・直感を持っているとき、他のPCのよいロールプレイングに対し、直感を与えることができる。

という、「ロールプレイを支援し、サポートする方向で進めようとしている」、D&D的には新機軸といえるルールなんですよ。





……いやこれ天羅の合気だよね?



どっかの自称評論家様が「伝統ある洋ゲーの頂点にして粋であるD&Dにロールプレイ支援なんてしかも天羅と同じルールなんてムキー!」とかいいながら煩悶し七転八倒しそうなルールですが、ところがどっこいゲームの根幹であるところのPHBに掲載されている標準ルールですよゲッハハハァン。【スゲエイイ笑顔で】

「ストックできない」というあたりに思い切りの足りなさというかデザイナー側の不慣れからくるビクビク感を感じないでもないけど、ロールプレイをサポートして遊びやすくしようって方向性は楽しいので個人的には歓迎してます。

んが、上記したようにあんまり詳しいことが書かれていないので、運用に困ってる人が少なくないってのもまた事実。

実際こないだのプレイの時もPLがほとんど使わずに終わっちゃってた&俺もプレイ中は忘れがちで、使用を促しそこなってた、なんてていたらくなんであんまり偉そうなこともいえないんだけど、なんかうまいこと使ってもらえるようになる工夫とかの小ネタをいくつか。


合気チット使おうぜ!
 すでにパクリであることが明らかないま、もうひとつやふたつ追加でパクることを恐れる必要はない
 ということで、直感降ってきたらコインとかチットとかカードとか、なんでもいいので形のあるもので直感を与えよう
 こうすることで「いいことすると報酬があるよ」ってのが見た目に示せるし、手元にものが残るから忘れにくいし、使うときにはチットをDMに返すようにすれば他のPLにも「使っている」のが見せられる、といいことづくめだ。
 使っとけ!


■シーンごとに精算したら?
 俺もそうだけど、プレイ中にはけっこう直感そのものの存在を忘れちゃいがちなので、強制的に与える機会を作ったらいいんじゃねえべか。
 具体的にはプレイの一区切り(シーン)ごとに「君は性格に合ったロールプレイした?」とPL1人1人に聞くのだ。
 シーンとかいうとどっかの評論家気取りが眼ェ向いて怒り狂いそうだけど、小/大休憩とかを区切りにするとちょっと間隔あきすぎるような気がするんだよね。
 そんで、多少こじつけ気味でも該当してたら渡してしまおう。(←ここ重要) 直感あるとプレイが確実に進みやすくなるので、けちけちするよりゃおおらかな気分で上げた方が絶対楽しくなるよ!
 まあ、たぶんね!


■いっそ敵に使わせちゃえ
 もういっそ、敵にも直感持たせようぜ!
 敵だって背景あるんだから、長い人生のあいだに自分の特徴とか性格に合ったロールプレイのひとつやふたつ絶対してるって!
 具体的には、大事な場面で敵に「じゃあこいつは(ロールケーキ的な煮えたセリフ)とともに君に切りかかる!ので優位を得る!」と宣言しつつ、チットを投げながら20面体を二個振ってやればいい。
 誰かが劇的な場面で使うのを見てれば引っ込み思案なPLだって自分でも使ってみようって気になるはずだ。
 かの山本五十六も言っている。「やってみせ、いってきかせてさせてみせ、誉めてやらずば人は動かじ」と。
 五十六が言ってるんじゃしょうがねえ。ごりっとお手本を示してやれ!
 具体的にはヤバい場面を華麗にダイス2個振ってクリティカルかなんかで切り抜けてやれ!イヤッハー!
 【手段と目的を完全に取り違えた形相で】
 

【オマケ】なんにでも上げちゃえ!
 個人的には現行のルールには不満がある。
 というのも、いまのところ特徴とか理想とかって変更できない(というかできるとするルールがない)。
 てことはキャラクター作成時に決めた四つの特徴をずっとやっていかなきゃいけないってことだ。
 コレ、さりげにつらい縛りだと思うのよ。

 もちろん、ある程度指針がある方がやり易いって人がいるのはわかる。初心者の人の中には「PCのキャラ付けなんて決められないから、ランダムで決まってる方がやりやすい」てなこという人もいるし。

 でもさ、PCのキャラってプレイしてく間にできていくものじゃん?
 成長に伴って変わったりもしていくわけじゃん?

 そういうもののはずなのに、なんかずっと同じ信条を貫いてロールプレイしていくのってしんどいし、事故の原因になるアレだと思うのよ。

 下手なPLが演じるパラディンが悪即斬とか言い出して多方面にケンカを売ったあげくプレイヤー全員がゲンナリなんて光景はよくあるわけで。
 PHB見てると結構極端な特徴とかもあるので、これにこだわる余りプレイがアカン方に行ってしまうこともあるんじゃねえべかとか思うわけですよ。

 そんなわけで、特徴とか絆とかの内容にこだわらず、なんかいいロールしたり、プレイを進行するようなイイことしたPCには直感上げちゃえばいいんじゃねえかな。といったことを推奨します。

 なんかますます合気に近くなってる気もするけど。ドンマイ。


 あ、あと、PL側も積極的に「……と言いますが、DMなんかください」とかいいつつ請求するといいんじゃないかな。
 なんなら多少こじつけてでも。
 そういう口プロレス力もTRPGの技術ってことですよ。なあ金沢。
 【たぶん間違ってます】



4 件のコメント:

Oppai(MIYA) さんのコメント...

インスピはいいルールですよね!

自分もバックグラウンドに直結しなくてもあげてます。

より楽しい使い方を探したいものですw

DMGで解説されると良いんですが。

T_N さんのコメント...

車輪の再発明とか言うと(そこまで言ってない)カドが立つので、収斂進化くらいの表現が穏当な気がします!

まあそれ以前に5版はキャラクターのバックグラウンドという概念自体がかなりFEARゲーっぽ(鈍い打撃音)

いしかわ さんのコメント...

Oppai(MIYA) さん

ないんじゃないかなー>DMGで解説

あの会社、とりあえずわかんないままに作ったモノって放置するじゃないですか。
技能チャレンジとかw

T_Nさん
い、いや、欧米にはVampire: The Masqueradeがあるから……(震え声で)

マジレスすると、背景的なルールは1stの頃からdragon誌にランダム決定表(笑)はあったのでそれなりに。キャンペーン系でならキットとかも背景っちゃ背景ですしね。

ただちゃんとゲームシステムっつーかルールと結びついたのはこれがはじめてかもですな。いや知らんけど。

えどもん さんのコメント...

3版以降のD&Dはその当時に流行っているゲームの仕組みを取り入れているのではないでしょうか。
3版はWHFB、4版はディセント、5版はFateの仕組みを取り入れていると思います。

T-Nさん
FEARのゲームの多くはDragon誌に載っているマイナーなオプションルールを膨らませたものの様に見えるので、私はFEARに重度のAD&Dマニアがいるのかなと思っていました。